2種類ある透析治療の特徴とは

腎臓の機能は10%以下になると正常に機能しなくなります。その結果、腎臓を通して尿と一緒に排出される老廃物や水分が適切に処理できなくなり、心不全などのリスクが高まります。そのため、老廃物や水分を代わりに排出してくれる代替治療として透析が必要となるのです。

透析治療には主に2種類あり、「血液透析」と「腹膜透析」があります。
一般的に90%以上の方が血液透析を選択しており、腹膜透析は数%に留まります。その理由は、患者自身で作業を行わなければならないため負担が大きいことや、7年〜8年で腹膜の機能低下が起こるので結局血液透析に移行しなければならないからです。そのため、血液透析を選ぶ患者が圧倒的に多いのです。

「血液透析」とは、自分の腎臓のかわりに「ダイアライザー」という人工腎臓の機械を使用して、血液から老廃物や余分な水分を排出する作業のことです。血液をろ過するというとわかりやすいかもしれません。
透析前に腕の静脈と動脈をつなぐためのシャント手術を行い、治療中は血液を毎分200mlほど取り出してダイアライザーで血液をきれいにします。きれいになった血液を患者に戻して、また血液を取り出すという作業を繰り返します。

「腹膜透析」とは、治療前に腹腔内に注入した透析液に、老廃物や余分な水分を移動させる方法です。その後、透析液を体外に出すことで血液がきれいになります。
寝てる間に透析液の交換を行う方法や持続的に透析を行う方法の2種類があります。通院は月に1回のため、通院負担はありませんが、自身で透析作業を行う必要があるのが難点です。